那珂川市長 武末茂喜インタビュー

先人に感謝しオール那珂川で
宝ものさがし&宝ものづくり。


本誌編集長が最近気になる市町村長に本音でインタビューをしていく連載の第六弾。今回は福岡県の29番目の「市」として、今年10月に新しく誕生した「那珂川市」におじゃましてきました。
那珂川市の前身である那珂川町は、今から62年前、3つの村が合併してできた。当時の人口はわずか9千人ほど。そこから、さまざまな土地区画整理やJR博多南線の開業を通して人口が増加。2016年には5万人を突破し、その勢いはまだまだ続いている。
北部にある博多南駅まではJR博多駅から新幹線に乗れば所要時間は最速8分。また市内中心部から天神までの距離も約10キロメートルと都市部に近いにも関わらず、南部にはのどかな里山の風景と手つかずの大自然を有するこの那珂川市は、通勤・通学はもちろん、買い物など暮らしのあらゆる面において利便性が高いことでも知られ、子育て世代を中心に「住みたいまち」として注目度満点のまちなのだ。
今回はそんな那珂川ブランドの土台をつくりあげ、魅力を発信してきた立役者のひとり那珂川市長・武末茂喜さんのもとを訪ね、まちの魅力づくりの秘訣を探るべく直撃取材をしてきました。取材場所は、博多南駅に直結する博多南駅前ビル『ナカイチ』。1階にはまちづくりプロジェクト『こととば那珂川』の拠点となるインフォメーションとギャラリーがあり、2階には駅との連絡通路のほかレンタルスペース、カフェ、公園が、3階にはワークスペース、4階には屋上庭園があり、定期的にイベントも開催。そんなまちのシンボルであり、市民の憩いの場でもある『ナカイチ』で、新しく誕生した那珂川市の魅力と未来について、じっくりと話していただきました!

那珂川市誕生おめでとうございます。本誌の特別付録にもなった『南畑の本』はじめ、「住みたいまち、住み続けたいまち」というテーマを掲げ、まちも人も企業も「オール那珂川」で取組み、発信してこられた努力の成果だと思いますが、次なる那珂川市の構想についてお聞かせください。
ありがとございます。今後の話をするために、まず現状の那珂川市を見てみますと、平均年齢が約42歳なんです。これは福岡県でも3位の若さでして、さらに0歳から14歳までの人口が約17パーセント占めています。このことからも分かるように、那珂川市にはこれから生まれ育つ世代と、その保護者にあたる産み育てる世代がたいへん多く暮らしている。そんな現状を踏まえると、まず取り組むべきは、なんといっても「教育」なんです。その教育のハード面である環境をどう整備するか、そして、ソフト面である内容をどう充実させていくかが大事になってきます。
まずは環境づくりにおいては、未就学児の保育施設の充実や療育施設の充実は当然として、いま取り組んでいるのは既存の教育施設の建物の内装を「木質化」して「ぬくもり」と「あたたかみ」がある学び舎にリフォームしていっています。実は那珂川市の土地の72パーセントは森林なんです。その恩恵を次の世代が学び舎で感じながら育っていく。これこそが那珂川にふさわしい教育環境だと考えています。
次に教育のソフト面では、昨年度まで国と県の指定を受け、英語教育に力を入れてまいりました。現在小学校では、3年生から先行して英語教育を進めています。また、昨年度から中学校3校の1年生から3年生の希望者を対象に、民間教育団体、いわゆる塾の講義を週に1回、無料で行なっており、学力向上をサポートしていく取り組みも実施しています。
教育という一面をとってもそうですが、いずれもどこかのマネではなく、那珂川市だからこそできるスタイル、そのまちの環境にあったやり方こそが大事だと考えています。そうすることで、そのスタイルが将来の特色になり、那珂川市の未来をつくっていくと信じています。

—–本誌読者に向けて、武末市長が伝えたい「那珂川市の魅力ベスト3」をお教えください。
まずは「利便性」です。那珂川市の東の玄関である博多南駅から博多駅までは、新幹線で最速8分。先日、出張帰りに福岡空港からの帰路のさいにも「非常に便利が良いまちだなぁ」と改めて実感しました。
つぎに「自然」です。「ほどよく都会でほどよく田舎」という例えがぴったりと当てはまる那珂川市には、都市部、農村部、山間部のすべてがある。週末は家族連れで賑わう中ノ島公園や、アウトドアの拠点として来春開業する五ケ山クロスなど、市としても「自然と共生した暮らしと観光」の両立に取り組んでいます。
そして、最後はさきほども申し上げた「若さ」ですね。年齢の若さもありますが、那珂川市には年齢を感じさせない生きいきとした若いエネルギーを持った市民の方が本当に多くいらっしゃいます。そいう意味では、最大の魅力は「市民のみなさん」ではないでしょうか。

—–さきほども自然環境との共生や活用の話が出ましたが、五ケ山クロスについてお聞かせください。
隣が佐賀の吉野ヶ里で、道路も発達していることもあり、もともと交通量は多い場所で、それを通過するだけの場所としてみるのではなく、もっと素敵なものとして楽しんでもらうものにする。そんな着想から職員の提案で体験型アウトドアの拠点にするアイデアが生まれ、全国を視察して構想を練ったのが『五ケ山クロス』です。九州はそんな体験型アウトドア施設の整備が遅れていると聞きました。これまでのロケーションや施設に頼る観光の考え方を変え、「コト消費」が楽しめる「体験型」の観光に特化したものにしていこうと、将来のまちの宝ものをつくるためのチャレンジになります。キャンプはいま家族のコミュニケーションの場になっていますよね。グランピングはもちろんロッククライミング体験ができる施設も設け、若い世代と親子のコミュニケーションの場になることを期待しています!

—–本誌読者には子育て世代や、移住を考えている人も多くいます。移住促進に関して市長の考えをお聞かせください。
これから人口が減少していく中で選ばれるまちにならねばならないということを第一に考えています。いまは若い世代も都市の機能性や利便性はありながら、ゆっくりと過ごせる自然環境があるまちを求めているのではないでしょうか。ありがたいことに、先人のおかげでその両方を兼ね備えている那珂川市は、冒頭の教育の取り組みしかり、若い世代が次世代を産み育てる環境をどれだけつくることができるか、それが一番大事だと考えています。
学力向上、健全育成。最先端の教育、学力向上に取り組みながら、那珂川でしかできない子育ての環境を整備して、未来の世代へまちの未来を託していく。それが本当に大切になってくると思います。
「究極は市民主体のまちづくり」「市民が主役」と何度も口にしていた武末市長。先人が未来に願いを込めながら、苦労して築いてきたまちの宝ものに磨きを掛け、オール那珂川で次なるまちの宝ものづくりにこれからも挑戦していく。

行ってみたい!住んでみたい!
那珂川市BEST5

那珂川市では、里山の雄大な自然環境を生かして、観光・移住などさまざまなまちづくりプロジェクトを展開中。その中から那珂川ビギナーにまずチェックしてみてほしいプロジェクトを紹介!!
那珂川市ホームページ

【 こととば那珂川 】


「つながる。ひろがる。はじまる。」をスローガンに、さまざまな事業や団体と連携しながら、那珂川の「コト」を動かし、「バ」を生み出す、まちづくりの拠点となるプロジェクト(詳しくはHP参照)。まちで「こんなコトをやってみたい」「こんなバに参加したい」という相談も受付中。
こととば那珂川オフィス 那珂川市中原2-120 博多南駅前ビル1階
TEL: 092-710-2003 ホームページ

【 なかがわよかとこ発見隊 】


自然資源に恵まれた那珂川のまちのことを「もっと多くの人に知ってほしい」、「心地のいい時間を過ごしてほしい」という想いをカタチにしたプロジェクト。「わくわく」と「癒し」をテーマにさまざまな分野で活躍するホストと協力しながら多様な体験プログラムを開発し配信中。

【 SUMITSUKE那珂川 】


『SUMITSUKE那珂川』とは南畑地区への移住をサポートするプロジェクト。「里山暮らしには憧れているけれど、なかなかハードルが高い」といった想いをもつ人と南畑をつなぐことで「敷居の低い移住」を目指している。里山での暮らし方のアドバイスや、空き家バンク、居住者のインタビューなど、役立つ移住情報をホームページで発信している。

【 南畑地域活性化協議会 】


まちを元気にしようと集まった南畑地区の各区長を中心とした7 人によって
2013 年に誕生したまちづくりプロジェクト。ガイドブック『南畑の本』の編集
委員を務めたり、南畑に暮らす芸術家のアトリエを巡る『南畑美術散歩』や名
産品を集めた『南畑ぼうぶら市場』を企画するなど多方面で活躍中。
南畑地域活性化協議会ホームページ

【 南畑の本 】


南畑地区の魅力を伝えるガイドブック。2014 年春に一冊目を発行。里山風景が
広がる南畑地区に根ざした、ヒト、モノ、コト情報を深く丁寧に伝える誌面づく
りで好評を博す。2017 年秋に『南畑の本2』を発行。いずれも本誌付録としても
広く配布された。現在ホームページにて電子ブック版を配信中。

南畑の本ホームページ

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